2006年2月19日(日) 13時07分34秒 [新幹線 ]
学生なら学割証を使って、新幹線の切符を学割料金で買うことができます。
学割料金は2割引です。ただし、学割が適用できるのは「乗車券」に対してだけで、新幹線の「特急券」には適用されないので注意が必要です。
あと、往復共に新幹線を利用するのであれば、往復割引(1割引)という制度をさらに利用して、学割+往復割引で、なんと約3割引で新幹線を利用できたりします。(※往復割引分の1割を引いた後の額に対して、学割分として2割引されるので、正確には「3割引」ではなく28%引きです。)
学生なら、これを使わない手はありませんよね。
ただ、往復割引には、JRの営業距離が(片道)601km以上の場合という制約があります。「新大阪-博多」間なら622.3kmなのでそのまま往復割引が適用可能です。しかし、「新大阪-東京」間だと552.6kmなので、単純に考えれば適用できません。……が!「新大阪-東京」間でも、うまく適用する方法があります。(^-^)
学割は乗車券に対してのみ2割引
学割を使うには、学校で発行してもらった「学割証」を持って、JRの「みどりの窓口」で切符を買います。新幹線には自動券売機もありますが、そこでは学割切符は買えないので窓口へ行きましょう。(※「学割証」とは正確には「学校学生生徒旅客運賃割引証」といって、右写真みたいな紙です。大きさは葉書の半分くらい。)
で、新幹線で新大阪-東京間を移動する場合、通常、¥13,750円かかります。内訳は、乗車券が¥8,510円で、指定席特急券が5,240円です。(※新幹線で「ひかり」の場合。のぞみだと指定席特急券は¥5,540円。)
学割は2割引ですが、この¥13,750円全額に対して2割引になるわけではありません。「乗車券」に対してのみ適用されるので、次のような計算式になります。
(乗車券)8,510円×0.8+(新幹線特急券)5,240円=¥12,040円
※10円未満は切り捨てて計算しています。
学割を使ってお得になるのは、乗車券に対して2割なので、この場合、1710円だけお得になるということになります。(特急券は新幹線に乗る場合に必要。乗車券は在来線・新幹線共通。)
往復割引を適用させる
学割だけだと2割引止まりですが、行きも帰りも新幹線を利用するなら、往復割引をさらに使うことで、合計約3割引(28%OFF)にできます。(往復割引は、学割を適用しない一般の切符にも適用できます。また、新幹線でなくてもOK。)
往復割引は、その名の通り、往復の切符をまとめて買ったときに適用される割引で、1割引です。学割と合体させて適用可能なので、学割と往復割引を一緒に使えば、約3割引(正確には「1割引後の料金に2割引される」ので2.8割引=28%OFF)で新幹線に乗れることになります。(この場合でも、割引が適用されるのは、乗車券のみです。新幹線の特急券はどうやっても割引されないのですね。^^;)
で、学割はJRの営業距離が101km以上であれば利用できますが、往復割引の場合はもっと厳しくて、JRの営業距離が(片道)601km以上でないと利用できません。
例えば、「新大阪-博多」間なら622.3kmなので往復割引が使えますが、「新大阪-東京」間だと552.6kmなので、そのままでは適用できません。(※経路によって微妙に距離が異なるので、調べる場合は新幹線を使った経路で 計算されているか確認しましょう。)
ところが!
新大阪-東京間を利用する場合でも、往復割引を適用させる方法があります。(往復割引ほど安くはできないものの、多少安くできます。)
新大阪-東京間は(JRの営業距離で)552.6kmなので、往復割引適用距離まであと48.4km足りません。
足らないのなら、足せば良いのです。^^;
例えば、JR神戸線を西へ移動して「朝霧(あさぎり)」駅という駅があります。(明石駅から神戸・大阪方面の1駅隣) この駅からだと、東京駅までJRの営業距離が606.5kmです。これなら往復割引が適用できます。
当然、新大阪から約50kmも離れているので、乗車券の料金も上がるのですが、往復割引を適用できることを考えれば、単純に「新大阪-東京」間の切符を買うよりも安く上がります。
新大阪-東京: 乗車券¥8,510円 (往復割引:適用不可)
朝霧 -東京: 乗車券¥9,350円 (往復割引適用後:¥8,420円)
というわけで、往復割引を使えば、距離がちょっと伸びてても90円お得です。(笑)
これだけだと「たったそれだけか…」、と思われるかも知れませんが、乗降する駅が「大阪市内」や「東京都区内」の圏外にある場合には、もうちょっとお得になります。
「新大阪-東京」間で新幹線の切符を買うと、通常は「大阪市内-東京都区内」のような乗車券をくれます。実際に、大阪市内の駅から乗って東京都区内(=23区内)の駅で降りる人には関係ないことですが、もっと遠くの目的駅まで乗ることもありますよね。そんなときには、目的の駅まで素直に切符を買うよりも、もっと延長して、往復割引の適用可能な駅まで伸ばした方が、安くなります。
例えば、神戸駅から東京駅まで行く場合、単純に切符を買えば¥9,030円します。距離は589.5kmなので往復割引は効きません。でも、もうちょっと距離を伸ばして、朝霧駅から買えば、往復割引を適用して¥8,420円で乗れます。こう考えると、610円もお得ですよね。
ちなみに、往復割引にさらに学割を追加すれば、朝霧-東京間は、¥6,740円です。自由席特急券を加えても、¥11,470円です。(※特急料金は季節によって料金が微妙に異なるので注意。新幹線の自由席特急券は¥4,730円です。)
---▼《広告》▼---
なお、以下に「往復割引 を適用する場合 」と「学割 を適用する場合 」との注意点を記しておきます。
わりと見逃しがちな点がいくつかありますので、しっかり把握しておきましょう。^^;
乗車券の区間を延ばす方向に関する注意点
距離を601km超にするために伸ばす方向は基本的にはどこでもいいので、JR神戸線だけでなく、JR宝塚線や阪和線など、自分の利用する方向へ601km以上になるように伸ばせば良いでしょう。(^-^)
もちろん、乗車駅側(関西側)だけでなく、下車駅側(関東側)を延ばしても構いません。(どちらか片方だけを延ばしても構いませんし、両方延ばしても構いません。)
ただし、以下に挙げる3点に注意 して下さい。
●1. JRの営業距離に注意
ただし、601kmギリギリの駅を探し出した場合は、本当に『JRの営業距離』が601kmを超えているかどうか、切符を買う前にJRの窓口で確認した方がいいと思います。(地図上の距離などとは無関係なので注意しましょう。)
また、JRの営業距離で601kmを超えている駅でも、下記の「特定都区市内」に該当する駅では距離の計算方法が変わってしまうので特に注意が必要です。
●2. 特定都区市内の扱いに注意 (※これ重要)
実は都会には「特定都区市内」という落とし穴があって注意が必要です。(^_^;)
多くの場合、乗車券は駅名を指定した切符になりますが、特定の都会だけは「○○市内」という大きな括りで『その範囲内の駅ならどこからでも乗れる(or降りられる)』という切符が発行されます。便利な制度なのですが、距離を伸ばそうとする際には注意が必要です。
例えば下図のように、JR神戸線内にある「甲南山手駅~神戸駅~舞子駅」間はどの駅でもすべて「神戸市内」として扱われてしまう ので、舞子駅や垂水駅から乗車券を買おうとしても、「神戸市内」からの切符になってしまいます。なので、この範囲の駅発着の切符はすべて神戸駅からの営業距離で計算されるため、微調整はできません。
朝霧駅よりも1駅だけ神戸方面側へ移動すると舞子駅があります。「舞子駅-東京駅」間の営業距離は604.6kmです。さらに1駅隣の垂水駅からだと、「垂水駅-東京駅」間は602.6kmです。一見すると、606.5kmの朝霧駅よりも短いために切符の料金が安くなって良さそうな気がします。
しかし、残念ながら上図のように「神戸市内」という扱いになってしまうため、600kmを超えられないのです。都会にはこういう落とし穴がありますので気をつけて下さい。(^_^;)
このような「特定都区市内」の扱いは全国に11箇所あります。
特に東海道・山陽新幹線に関係するのは、東京都区内、横浜市内、名古屋市内、京都市内、大阪市内、神戸市内、広島市内、北九州市内、福岡市内 の9箇所でしょう。この辺で距離を微調整する場合には注意が必要です。
●3. 直近の新幹線駅が目的の駅と変わってしまう場合に注意
新大阪駅から東京駅まで新幹線に乗るつもりで、乗車券の方向を神戸線側に延ばした場合は、新大阪駅よりも 新神戸駅や西明石駅などの新幹線駅の方が近くなる 可能性があります。そこから新幹線に乗車すると、ちょっと新幹線の特急料金が上がります。
在来線には神戸から乗るとしても、新幹線は新大阪駅から乗るような切符(新幹線特急券)を買わないといけないので注意しましょう。
※窓口で切符を買う際には、「新幹線は新神戸駅などではなく新大阪駅から乗る」ということをしっかり伝えておくと間違いがなくて良いかも知れません。
学割証を使う上での注意点
さて、学生にとってはたいへん便利でお得な学割証ですが、使う上では独特の注意点があります。
直前では間に合わないこともあるので、事前にしっかり把握しておきましょう。
●夏休みとか冬休みにたくさん旅行する場合 (1週間2枚までの制約に注意)
学割証の有効期限は、発行した日から3ヶ月間(※)です。しかし、「1週間のうちには2枚までしか発行できない 」という制約があります。なので、「夏休みに3回学割で切符を買う」という場合は、少し余裕を見て事前に発行しておきましょう。夏休み直前の1日に3枚以上の学割証を発行してもらうことはできません。
※卒業までに3ヶ月を切っている時期に発行した学割証は、3月31日が期限です。例えば、2月に発行した場合でも3月31日が期限になります。しかし卒業しない学年であれば、2月に発行すれば5月まで有効です。
※枚数制限は、JR側の制約ではなく、発行する学校側の制約です。なので、学校によってはもっと緩かったり逆に厳しかったりするようです。詳しくは、大学事務などで事前に確認しておきましょう。
●学割証の消費枚数を節約するには
往復切符を購入する場合は、物理的には切符が2枚ですが、消費する学割証は1枚で済みます。(学割証の「乗車券の種類」欄の「往復」に丸印を付けます。)
なお、学割を適用させて購入した切符を、何らかの事情で払い戻し(キャンセル)した場合、使った学割証は返ってきません 。1枚無駄にしてしまうことになるので注意して下さい。
●年間の発行枚数にも制限があることが多い
学割証は(たいてい)1人あたり年間10枚までしかもらえません。御利用は計画的に。(JR側の規則では1人あたり10枚という制限はないようですが、発行する学校側の規則でそうなってるみたいです。うちの大学の学割証発行機では10枚まででした。)
※1つの学校に対して1年間に渡される学割証の枚数が決まっています。それを使い潰してしまわないよう、目安として1人10枚までとしているらしいです。
なお、他人の学割証を使ってはいけません。同じ学校でもダメです。本人限定です。学割証自体に本人の学籍番号などが書かれた状態で発行されます。
●実際に使う際の注意点 (学生証の確認はわりと頻繁にある)
学割証を使って切符を買う際には、たまに『学生証』の提示を求められることがあります。なので、学割証(紙)だけでなく学生証(カード)も必要です。(だいたい3~4回に1回くらいの割合で、切符購入時に「学生証を見せて下さい」と言われる 気がします。わりと頻度は高いです。)
また、学割切符を実際に使う際にも、学生証は携帯していなければならない規則です。検札の際などに提示を求められたら見せなければなりません。(まあ、私は車内で学生証の提示を求められたことはありませんが。)なので、必ず学生証は携帯して乗りましょう。
……というわけで、以上が、学割+往復割引を使って、約3割引で新幹線に乗る方法でした。
この制度があるから、学生なら飛行機よりも新幹線の方がかなり安いんですよね。
ああ、長くなった。(^^;;;
学割が使えるのは学生の特権ですし、使わない手はありません。ぜひ、お得に新幹線に乗って下さい!
お得な旅行ができますように!(╹◡╹)ノ