23時53分40秒 [小説]
ハヤカワ文庫から今年の2月に刊行された、「沈黙のフライバイ」を読了。
全5編のSF短編集。
おもしろいです。
設定が細かい…というか、作中に出てくる数値がとても具体的なのでフィクションなんだけど信憑性が高く感じます。本当にそんなのがありそうな感じです。
どの話も、現代からほんのちょっとだけ技術的に進んだ世界がベースになってて、突拍子もない技術が既に存在してたりとかしないところも信憑性を感じる要因かも知れません。
カーボンナノチューブも、それ自体は実際に存在するモノだし。
2編目の「轍の先にあるもの」では、実際にNEARシューメーカー探査機が撮影した小惑星エロス表面の写真が1枚掲載されてて(この写真は本物)、そこから先の展開がフィクションになってます。
この写真1枚からいろいろ分析して、でも周囲の状況は知りようがなくて、「ああっ、この写真の周囲は一体どうなってんだっ!?」と、もどかしく感じる様子がすごく伝わってきました。(^_^;)
小説では一応の解答が示されてますが、現実にはどうなのかがかなり気になります。(^_^;;;
最後(5編目)の「大風呂敷と蜘蛛の糸」は、ロケットガールとか、「ふわふわの泉」っぽい感じの話ですね。主人公は理系女子大生。喋りがなんとなく小林めぐみ先生の小説に出てくる主役級女の子っぽい感じもしたり。(^_^;)
◆沈黙のフライバイ(ハヤカワ文庫)
この日記へのコメントはお気軽に! コメント数:0件
コメント数: 0件