14時22分45秒 [ソフトウェア]
PC関連のソフトウェアやサービスなどで「慣れれば使える」とか「慣れれば便利」のような表現を目にすることがあります。
でも、OSみたいなインフラは、そもそも「慣れなくても使える」くらい分かりやすくないとダメなんですよね。
慣れが必要だという時点で、インフラとして望ましい形とは言い難いでしょう。
例えば、ある料理について「慣れれば美味い」と言うのは、褒めてはいませんよね?(^_^;)
それはつまり、「慣れるまでは美味いとは感じられない」と言っているわけで。
そういう料理がダメだと言うつもりは全くありませんが、誰にでも受け入れられる望ましい形は「最初から美味い」ものでしょう。
食べるかどうかの選択肢がなく、「それを食べるしかない」というのが「インフラ」ですから。
なので、インフラとして使われるようなシステム(=「使うかどうかの選択肢がなくそれを使うしかない」というようなシステム)の場合も、慣れなど不要な「最初から使える」仕組みが必要です。
複雑な機能のあるPCの場合だと、街中の自動販売機くらい分かりやすく(※)するのは難しいとは思いますけども。
※自動販売機みたいなインフラも、最近は電子マネー対応とかでUIが複雑化しつつありますけどもね。^^;
PC用ソフトやシステムなどでは、仕様変更によって「前のバージョンのユーザすら、すぐには使えないUI」に変わるケースもよくあります。そういうのは、インフラとしては全然ダメでしょう。「前のバージョンのユーザ」なら、慣れようと思っていたかどうかに関わらず慣れはあるでしょうから、そこまで慣れを習得したユーザですら「慣れないと使えない」となると、それは相当な改悪です。
見ればすぐに分かる、というUIが万人向けのUIなわけですから。
慣れが必要だという時点で、そのUIは万人向けだとは言い難いでしょう。
もしUIを大きく変えるのなら、それは「誰が見ても使えるように改良する」という方向でないといけません。(※あくまでもインフラのように大多数が利用するシステムの場合の話。)
インフラ的サービスを作ろうとするなら、機能面だけでなくUIを最初からしっかり整備しておく必要があります。
そもそもどんなに処理能力の優れたシステムでもUIが貧弱ならマイナス評価になって使われませんし。逆に機能面が乏しくてもUIが優秀ならそれなりに使われます。もちろんずっと乏しいままだと続かないでしょうけども、少なくとも「最初から使われない」という事態は避けられるでしょう。
たぶん、UIが優れていれば「すぐに使える」と見ただけで確信ができるから、「使ってみよう」と思う人々が増えるんだろうな、と思います。
逆にUIが劣っていると「使い方」を想像できないので、どんな機能があるのかも把握(予想)できず、そもそも「使ってみようかな」と思ってくれる人が得られないと。
なので、何はともあれ機能だけを実装して先行リリースする……というのはかなりの悪手で、とにかく真っ先にUIに力を入れる必要があります。中身よりも外側(インターフェイス)が重要です。
最近は特に、β版の状態でリリースしておいて、実際に使ってくれるユーザを確保した上で少しずつ改良(もしくはバグ取り)していく……というパターンもよくありますよね。
それ自体は構わないと思いますが、「慣れ」が必要なくらい分かりにくいUIしか用意できなければ、そもそも最初の取っかかりである「使ってみようかな」と思ってくれるユーザ数自体が増やせないでしょう。
「機能さえ作っておけば、誰かがうまい使い方を考えてくれるだろう」みたいな考えは、やめておいた方が良いと思います。(^_^;)
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