にしし ふぁくとりー:西村文宏 個人サイト

Presented by Nishishi via Movable Type. Last Updated: 2024/08/11. 15:45:06.

Sakura Scope (2024年08月)

ちょっと倒錯気味な、ただの日記です。(^^;)
これはやばいと思われた場合は、お早めに閲覧を中止されることをお勧め致します。

Web上のメール送信フォームの差出人を「入力されたメールアドレス」にしてはいけない(もはや)

メッセージ送信フォームが実際に送信するメールの差出人を「入力されたメールアドレス」にしているケースも多々あったが

Web上に設置された「お問い合わせ」用途が目的のメッセージ送信フォームでは、返信のためのメールアドレスを入力してもらう必要があります。
その際、

  • 『閲覧者の入力したメールアドレス』を『メールの差出人』にする形でメールが送信される仕組み

……を採用しているケースもよくありました。
そのメリットは、受信者(=Webサイト管理者等)がメーラの「返信」ボタンを押すだけで返信できるような形になる点です。

しかし、その形態での運用は、もはや避けなければならないでしょう。

特に問題なのは送信者がGMailを利用している場合(=GMailのメールアドレスを差出人アドレスとして入力した場合)ですが、そうでない場合でも問題になる可能性があります。

Googleのスパム対策が厳しくなった上、SPF(Sender Policy Framework)が普及した

2024年2月からGoogleのスパム対策(特に、なりすましメールをブロックする方針)が凄まじく厳しくなったことと、Googleが強くアナウンスしてSPFが普及したことで、Web上に設置された(メール送信型の)お問い合わせフォームでは以下の問題(※)が発生するようになりました。

※あくまでもWeb上に設置する送信フォームから見た場合の「問題」であって、世の中全体に対しては「改善」ですけども。^^;

  1. 閲覧者の入力したメールアドレスのドメイン側で SPF が設定されている場合は、受信側メールサーバが迷惑メールに自動分類してしまう可能性が高まる。
  2. 特に、『閲覧者の入力したメールアドレス』が gmail.com ドメインだった場合で、受信者も GMail を利用している場合には、メールが自動破棄されてしまって届かない。

特に困るのは➋のケースですが。
以下に、順番に解説します。

▽➊差出人アドレスとして指定されたドメインにSPFが設定されていると「なりすまし」だと解釈される

仮に、以下のようなケースを考えます。

  • うちのサイト(= www.nishishi.com ドメイン)内にお問い合わせ用の送信フォームがあり、
  • あなたが自身のメールアドレス「 sakura@example.com 」を入力して問い合わせる。

この場合、うちのサーバは『 sakura@example.com を差出人にしたメール』を送信することになりますが、それはシステム的には『なりすましメール』になります。
example.com ドメインのメールアドレスを使って、example.com ドメイン以外のサーバから送信しているわけですからね。

従来、そのような『なりすまし』を判別する手段がなかった(使われていなかった)頃には、システム的には何も問題ありませんでした。(※システム的に問題がないからこそ、差出人を偽った詐欺メールが横行していたわけですが。)

しかし、その判別を可能にするのが SPF(Sender Policy Framework)です。
もし、あなたが所有しているドメイン(※ここでは例として example.com ドメイン)にSPFを設定している場合、『 example.com ドメインのメールは、×××のサーバからしか送信しません』と世界に向けて宣言することになります。(×××の部分はIPアドレスとか)

そうすると、他者サイトを経由して『 sakura@example.com を差出人にしたメール』が送信された場合には、「SPFで示されたサーバ以外のサーバから送信されている」=「なりすましメールである」と判定できるようになります。
判定が可能になったところで、実際にそのメールをどうするかは受信側メールサーバの方針次第ですが、少なくとも「迷惑メールだと判断される可能性」は高まります。

※あなたが自分で取得した独自ドメインのメールアドレスを使っていない場合でも、お使いのメールサービスの提供元がSPFを設定している可能性もあります。

したがって、訪問者が入力したメールアドレスを「(送信フォームが送信するメールの)差出人アドレス」として使ってしまうと、そのメールが迷惑メールだと誤判定されてしまう可能性があります。

▽➋GMailを差出人にしたメールを、GMail以外のサーバからGMail宛に送信すると、問答無用で消される

もっと問題なのは、➋です。

Googleは、『 gmail.com ドメインのメールは、自社のメールサーバからしか送信されない』と知っています。
にも関わらず、他社サーバから送信された「 gmail.com を差出人にしたメール」を GMail で受信した場合には、「なりすましメールである」と断定します。

なので、

  • Webフォームから送信されたメールを GMail で受信する運用にしている。
  • サイト訪問者が、Webフォームに gmail.com ドメインのメールアドレスを入力して送信した。

……という2条件が重なる場合、もはやそのメールは問答無用で破棄されてしまって、届きません。
例えば、

  • うちのサイト(= www.nishishi.com ドメイン)内にお問い合わせ用の送信フォームがあるが、私はそのメールの送信先をGMailにして運用している。(※)
  • あなたが自身のGMailメールアドレス「 ***@gmail.com 」を入力して問い合わせる。

……というようなケースです。(※これは例であって、実際には私はそのような運用にはしていません。)

当初は、上記のような場合でも「迷惑メールフォルダに自動分類する」という処理に留まるのかな……と思っていたのですが、意外とGoogle側の対応が厳しくて、もはや「問答無用で破棄する」という自動削除方針になっているようでした。
したがって、上記のようなケースにはならないようにしなければなりません。

結論:Web上のメッセージ送信フォームの差出人を「入力されたメールアドレス」にしてはいけない(もはや)

というわけで、もはやWeb上のメッセージ送信フォームの差出人は、『そのWebで使われているドメインのメールアドレス』に固定しておく必要がある、と言えるでしょうね。
つまり、以下のような運用にします。

  • Webサイトに設置するお問い合わせフォームでは、差出人アドレスとして自前のドメインを使ったメールアドレスを固定的に使う。(たとえば、www.example.jp なら、noreply@example.jp みたいな同ドメインのメールアドレスを差出人に固定します。)
  • 訪問者が入力した本人のメールアドレスは、あくまでもお問い合わせメール本文に記載するに留めておき、差出人としては使わない。

こうすることによって、Web上のお問い合わせフォームから届いたメールに、メーラの「返信」機能を使って返信することはできなくなります。
残念ですが、これだけスパムメールが横行している世の中なら、そこは「仕方がない」と考えるほかないでしょうね。

なお、差出人として使うダミーのメールアドレスに noreply という文字列を使っておけば、一部のメーラでは、誤ってそのメールアドレス宛に返信を書こうとした際に、「このメールアドレスに返信しても誰も受け取らないかもよ」という警告を出してくれます。(Thunderbirdとか。)

▼備考:自分が他者サイトにあるお問い合わせフォームを使う場合

もしあなたがGMailを普段のメールアドレスとして使っている場合、
他者サイト(特に個人サイトとか小規模企業サイトとか)にあるお問い合わせフォームを使う際には、そこがどのような運用になっているかが分からないので、念のためにGMailのアドレスを入力するのは避けておく方が無難かもしれません。
そのサイトの運営者が(自身のWebサイトからの問い合わせメールを)GMailで受信している場合、そのメールは届かなくなりますから。

他人の家に置き配されたが、Webから報告後15分と経たずに再配達されて驚いた話

便利なサービスではあるものの、いつかはあるだろうな……とは思っていた誤配

クロネコの「置き配」指定サービスは、以前は特定の通販サイト等からの荷物だけが対象でしたが、今では受取人がクロネコメンバーズ会員ならほぼ何でも(クール便や代引き等は対象外ですけども)対象にできるようになりました。

置き配を指定している場合は、配達完了時に配達担当者が「荷物を置いた場所」を撮影した写真が、クロネコメンバーズのWeb上(とかクロネコアプリ)から確認できます。解像度は高くないように配慮されていて、ざっくり大まかに把握できるくらいの感じ(昔々のガラケーで撮影したようなくらいの解像度)です。

で、先日の話なんですが、
クロネコで置き配指定していた荷物について「配達が完了しました」というメールが届いたので、Webにログインして写真を確認してみたところ……、
そこに写っていたのは、知らない家の玄関先……。

おおぅーい。
私の荷物はどこへ配達されたのか……?┌(:3」└)┐

クロネコお問い合わせフォームにそのものズバリな項目があった

そのまま放置するわけにはいかないので、試しにクロネコメンバーズWebサイトの問い合わせフォームを見てみたところ、『お問い合わせカテゴリ』項目に「配達/投函完了と出るが受け取っていない」というそのものズバリな項目がありました。(下図)

お問い合わせカテゴリ「配達/投函完了と出るが受け取っていない」

まあ、全国で毎日莫大な荷物を配送しているのですから、やはり誤配の頻度はそれなりにあるのでしょうね。単独のカテゴリとして存在するということは。

早速ここから、自分の住所、当該荷物の伝票番号、クロネコメンバーズのID等の情報を書いて送信しました。
さすがにWebからの連絡だと、早くても数時間は掛かるんだろうなあ……などと思っていたのですけども......

Webから送信して十数分で再配達に来た!?

配達完了のメールが届いた時刻から15分後くらいに問い合わせをWebから送信したのですけども、そこからさらに12~3分後くらいに、配達担当ドライバーさんが直接荷物を持ってきてくれました!!!
早い!!
豪速!!!!
そんなに早く対応できるものなんですね!?!?

まさか、Webから誤配の連絡をしてから(特にメール等での返信は来ずに)直接配達ドライバーさんが荷物を持ってきてくれるとは予想しませんでした。

早くても数時間はかかるんだろうなと思っていたら、まさか十数分で対応完了するとは。
クロネコすごい。

▼誤配の指摘は、すぐさま担当ドライバーへ連絡される仕組みになっているのか

もちろん、誤配の配達完了から15分しか経っていないうちに連絡をしたので、配送ドライバーさんのトラックがまだ近隣に居たからこそ早々に対応できたというのもあるんでしょうけども。

しかし、Web上での誤配の問い合わせから、そんなにすぐさま配達ドライバーに連絡が行く仕組みができているとは。よくできているな~と感心しました。
ドライバーさんだってそんなに急いで移動できるわけではないので、「Web上での誤配の指摘」→「ドライバーへの連絡」って、ほとんどタイムラグなしに行くような仕組みができているんでしょうかね?

配送ドライバーさんは極めて腰低く丁寧な謝罪と共に荷物を改めて持ってきてくれました。

クロネコと、あのドライバーさんに幸あれ!

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